この滝は、2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」のオープニングに登場して、一躍有名になった。場所は、鹿児島県の大隅半島、南大隅町というところにある。近年は訪れる人も増えて、滝見台も完成したという。したがってこの滝は、どちらかといえば今は観光滝の部類に、はいるかもしれない。でも、駐車場からは滝つぼまで徒歩で1200mほど山中の小道を歩かないとならないので(これは地形のなせる事情なので今も変わっていないと思うが)、その意味では秘境気分も味わえると思う。ちなみに、服装は山歩きのできる格好がおすすめで、特に靴には注意したほうがいいと思います。
山の中の道をたどり、そばを流れるせせらぎの美しさに感動しつつ進んで、疲れたな、まだかな、と思った時分に、視界がぱっと開けて山中に空間が現れる。そこに現れたのはエメラルド色に輝くの妖精の水場、岩を滴る幾筋もの清水と一条の太い落水――まるで異界だと思った。はじめて訪れた時の感動は今も忘れない。
雄川の滝にはじめて行ったのは2013年の5月で、この写真はそのときのものだ。このころは訪れる人もほとんどなくて、滝はほぼ貸し切り状態で楽しめた。当時は道もわかりずらかった。
それから、数度時をおいて訪れたが、そのうち一回は少し前に降った雨のために、滝つぼへ降りる道は閉ざされていた。そこで、上部の展望所から滝を見て帰った。この時は水が濁り、神秘的なエメラルドブルーは拝めなかった。
もう一回は、ダムの放水と重なった。この時は天気もよく、期待していったのだが、やはり最初の美しさからすると、滝の水量が多く、色が違った。この、雄川の滝のすぐ上流はダムなのです。
NHKの大河オープニングはさすがに素晴らしい画像だったけれど、あの美しい姿を見るためには、実は運も必要なのかもしれない。……それでも、この滝は、鹿児島県に行くことがあれば、一見の価値のある場所だと思います。
※個人の感想です。実際に行かれる際には、最新の情報をチェックしてください。